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2009年3月

■2009年2月議会・久米慶典一般質問

●艦載機部隊の移転容認が条件の民空は問題大

 久米県議は、米軍岩国基地を軍民共用空港とする問題について、「平成24年度の再開に向け、国が主体として実施する」と言明した河村官房長官が、その理由として、「米軍再編に伴い、負担を担う地方公共団体の要望に配慮する」と述べていることを指摘。「河村官房長官は民空再開が米軍再編・艦載機移転の前提だ、と露骨に言及しているがそれでも知事は是とするのか」と基本姿勢を追及。事業主体も明らかにされていないことも指摘し、費用負担の見通しを質しました。

 二井知事は、「米軍再編は『現実的な対応』をすると言ってきており、この姿勢に応えて、政府方針が出されたもの。米軍再編のからみが生じているが、民空はそれ以前から要望してきたもの」と弁明。事業主体と費用負担については「国がなるよう求め、施設整備の予算が確実に措置されるように求める」と答えました。

●SACO合意無視の部隊配備は容認するな

 久米県議は、米軍がSACO最終合意をふみ破って八機のハリアーを岩国基地に駐留させていることについて、「SACO合意は日米両政府間の正式な約束であり、不正常な事態がすでに二カ月も続いているのは外交上の問題。即刻、米側に抗議すべきだ」と迫りました。

 二井知事は、「ハリアー八機駐留を認めているわけではない。SACO合意との関わりを国へ照会しているが、いまだに回答がないのは大変遺憾だ」と答弁しました。

●愛宕山開発用地の米軍住宅化にノーを

 久米県議は、愛宕山開発跡地の米軍家族住宅化について、知事が記者会見で「現段階では地元の理解は得られていない。米軍住宅なら売らない」と述べたことについて、「この姿勢は貫くべき」とのべた上で、「地位協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律」では、米軍に国が財産を提供する場合、知事の意見を聴かなければならいことになっていることを指摘。「米軍住宅への提供を打診されたら、明確に反対すべきだ」と見解を質しました。

 知事は、「国による買い取りの条件などすべて今後の協議課題で、現時点で仮定にもとづく対応は答えられない。意見照会があれば、内容を個別具体に検討し、地元自治体の意向を十分尊重して対応する」と明確な態度表明を避けました。

●医療が必要な場合は保険証発行を

 久米県議は、悪質な滞納者が対象とされる国民健康保険証の取り上げ(資格証明書発行)が昨年六月段階調査で6113件にものぼっていることをあげ、「これが全部〝悪質滞納者〟とよべるのか。医療を受ける必要が生じたら、医療費が払えないときでも短期被保険者証を交付できる、とした政府見解を市町に周知徹底し、貧困の広がる状況下で医療が受けられない人のないよう指導すべき」と迫りました。また、国保法は「生活が著しく困難」な場合は保険料の減免が可能としていることをあげ、「失業者が急増する今、この規定を広く県民に周知することが必要」と対応を求めました。

 今村健康福祉部長は、国から「医療を受ける必要が生じ、医療費の一時払いが困難な場合は、短期保険証を交付できる」とした通知を受けていることを認め、「市町に通知し、適切に指導・助言していく」と答弁。国保料の減免については「制度の周知は重要と考えており、適切に指導・助言する」と答え、昨年10月以降、失業など「生活困窮」を理由に114件の申請があることを明らかにしました。

●臨採教員の待遇改善を急げ

 久米県議は、山口県の臨時採用教員は、今年度1224人と全教員の1割を占め、うち欠員を補充している教員が865人もいることを指摘。臨時採用教員の給与は正規採用と比較すると45歳で10万円以上も低いことをあげ、「同じ勤務年数、同じ仕事で、これだけの格差は社会常識を逸している。扶養手当がつかないのも問題だ。早急に改善すべき」と質しました。
 藤井教育長は、「任用形態の違いから格差はあるが、給与改定の状況等に応じて、逐次改善に努めている」とのべ、「扶養手当がないのは任用形態が違うから」と開き直りました。

●特別支援学級に加配を

 久米県議は、4人以上の児童生徒がいる特別支援学級(情緒学級)では3年前までは、そのほとんどに加配教員が配置されていたが、今年度は、その半分にしか加配されていない実態を明らかにし、「現場の意見を尊重し、十分な体制を取るべきだ」と迫りました。

 藤井教育長は、「工夫しながら最大限の努力をしている」とのべるにとどまりました。

■2009年2月議会・水野純次一般質問

●政治腐敗の原因・企業団体献金は禁止を

 水野県議は、民主党の小沢党首の公設第一秘書が西松建設の違法献金疑惑で逮捕されたことに関連し、「西松建設はJVの一員として国体主会場の維新公園陸上競技場新築を受注し、その後、契約破棄となった。この機会に、企業・団体献金の禁止、政党助成金廃止を国に求める考えはないか」と知事の政治姿勢を質しました。

 知事は、「政治倫理は公明・公正の確保が第一」と一般論どまりでした。

●公共事業の地域格差は解消せよ

 また水野県議は、土木事務所管内別の事業量を2003年度と07年度とを比較すると、下関52%、萩48%、長門43%と大きく落ち込む一方、山口95%、美祢111%など、地域間格差が大きく広がっていることを指摘し、不公正な偏在はただちに改善すべきだと質しました。

 柳橋土木建築部長は、「高規格道路とダム事業を実施している事務所では事業量が増加する。選択と集中の結果だ」と当然視しました。

●第2関門橋計画はキッパリ断念すべき

 水野県議は、下関と北九州を結ぶ関門海峡道路(第二関門橋)計画について、「たとえ需要がふえても既存の道路、鉄道、航路の利便性向上で十分対応でき、新たな架橋は必要ない。国も調査をやめたが、それでも県は必要と考えているのか」と今後の対応を質しました。

 柳橋土木建築部長は、「国が予算計上していないので、県も新年度の調査費は組んでない。関係方面と協議中だが方針は未定。県としては、物流や人的交流などの観点で必要とみている」と固執の態度を示しました。

●県内自給率70%達成へ実効ある向上策を

 水野県議は、県内食糧自給率の向上について、「70%目標の達成が2012年まで2年先延ばしされたのはなぜか」と追及。現在54%の自給率を70%にするには生産額を279億円も向上させなければならないことを指摘し、今後、どう実効ある対策に取り組むのかと質しました。

 松永農林水産部長は、「作目ごとの生産・販売目標を設定し、重点的な支援と毎年度の検証により、着実な達成を図っていく」と答えました。

●有害鳥獣の被害防止対策は急務

 水野県議は、県下の農家に大きな被害をもたらしている有害鳥獣の被害防止について、市町計画への県の支援、研究開発、人材育成の推進も求めました。
 松永農林水産部長は「有害鳥獣対策は、防止計画未定の二自治体への支援、山口市仁保でのモンキードックの導入、先進例の講演会開催などにつとめたい」と答えました。

●ルールとモラルある対応を重視

 水野県議は、携帯電話のトラブルにまきこまれる児童・生徒が激増していることに関連し、「情報化社会で子どもたちをまもり、ルールとモラルある使い方や対応を子どもといっしょに考えていくことが必要」と強調しました。

 藤井教育長は、「携帯は学校の教育活動に必要ないというのが基本的な見解だが、学校の状況に応じて対応している。昨年調査で有害サイトへの接続経験有りが22%(中二)、トラブル(ネット上の誹謗中傷など)は小学校で33校、中学校で104校だった」ことを明らかにし、「学校ごとの実態をふまえ、保護者も交えて適切な対応を協議していく」とのべました。

■2009年2月議会・藤本一規一般質問

●公約違反の一部負担導入は中止せよ

 藤本県議は、障害者団体や医師会、保育園、労働組合など百五十二団体と全市町が反対している福祉医療費助成制度の改悪について、「地方交付税や基金取り崩しを考慮すれば、〝財源不足〟は例年並みの200億円程度で、600億円不足という知事の宣伝は、福祉医療や私学助成削減の〝方便〟ではないのか」と基本姿勢を批判。その上で、重度心身障害者、母子家庭、乳幼児医療への「一部負担」導入は、「乳幼児医療助成の充実」「母子・父子福祉の充実」という昨夏の知事選の明白な公約違反であり、関係者の要望に応え現行制度を維持すべきだと強調しました。

 二井知事は、「六百十億円の財源不足は方便ではない」とし、「将来にわたって制度を維持するための苦渋の決断。(公約は)あくまで努力目標だ」との冷たい立場に終始しました。

●私学助成史上初の切り下げは撤回を

 藤本県議は、県の私学助成史上初めて私学運営費補助単価が全日制高校一人当たり3500(国の財政措置を加えると実に8888円)も引き下げられることについて、「親の大量失業で家計悪化が深刻化する中、助成削減は教育を受ける子どもの権利を阻害することにつながる」と指摘し、昨年12月議会では私学助成の拡充を求める請願2件が全会一致で採択されており、引き下げは議会無視の暴挙だと、削減撤回と大幅増額を求めました。

 三好総務部長は、山口県の補助単価は全国的にもトップレベルだと強弁し、「財源不足のなかで、最小限の減額にとどめた」と開き直りました。

●マツダ車買うより解雇撤回の要請を

 非正規労働者の大量雇い止め(解雇)問題について、藤本県議は、「労働局調査でもことし1月から3月末までに1690人の雇い止めが出る。マツダ関連がこのうち340人にのぼる。県はマツダ車を50台(8400万円)を買うより先に、知事が直接出向いて雇い止め中止を求めるべきだ」と迫りました。

 知事は、一般に大企業は社会的責任を果たしてもらいたいと表明したものの、マツダなどへの直接的な解雇撤回要請は行う意思がないことを示しました。

●国体より県民福祉の拡充を

 新年度県予算案でも突出して増額する2度目の国体について藤本県議は、「国体に関連して公園事業が5年前の3倍以上となっている。新年度には維新百年記念公園陸上競技場に約20億円、山口きらら博記念公園水泳プールに約22億円、開催経費、選手強化費もぼう大だ。県民の福祉、教育よりも国体が重要なのか」と知事の姿勢を追及しました。

 天皇杯優勝を至上命令とし、国体で元気県をつくると国体へ異常な熱を入れる二井知事は、2公園整備は老朽化対策や国体基準クリアのためで、「夢と感動にあふれる国体にしたい」とイベント最優先の態度を重ねて露呈しました。

●一般道での自衛隊訓練はせめて事前通告を

 藤本県議は、三日朝、関係自治体への連絡なしに自衛隊が一般道で銃を携えて行進訓練したことを批判し、「一般道での演習はやめ、せめて関係市町への事前連絡はすべきだ」と追及。

 三好総務部長は、「事前通告については、関係市町とも協議し、住民に不安を与えるような訓練は、地元市町に事前の通知が図れるよう要請したい」と答えました。

■2009年度県予算案の特徴と問題点⑥

●「元気づくり」の看板も捨て県民にツケ(水野純次県議)

 二井知事は、「住み良さ日本一」、「日本一の元気県」の美辞麗句を口にし、県職員にも必ず言わせるようになりました。しかるに新年度予算案は、「中国五県で何番目…」がやたらに目立ちます。福祉医療の改悪を狙ったものの、県民や市町から思いがけぬ反撃を受け、孤立するなかで、一部負担金導入の言い訳に「中国四県」の実態を持ち出します。

 経済的理由で退学生徒が増え続ける私学の高い授業料に一顧だにせず、県政史上初めて私学助成を引き下げる理由にも使っています。いまや「住み良さ日本一の元気県づくり」の看板まで投げ捨てた県民不在の予算です。

 雇用不安の重大事に、雇用対策は国の事業だけで、840人も「派遣切り」をやるマツダから50台の公用車を買い入れるなどは、まさに県民世論への挑戦です。論戦でも追いつめ、県政転換への一歩を刻む議会にするため力を尽くす決意です。

●福祉医療制度を守るため最後まで全力(藤本一規県議)

 二井知事は、議案説明で、福祉医療制度へ一部負担金を導入することについて「持続可能な制度として次代へ継承していくために」「中国地方では本県を除く4県で、一部負担金の導入がなされております」と述べました。

 この発言は、山口県の「住みよさ日本一の元気県づくり」は、精神論でしかないことを示すものです。さらに二井知事は、「県の基準は、福祉医療制度の一定の水準を定めているものであり、市町が独自に実施する制度の拡充措置等を妨げるものではありません」とも説明しました。

 県の制度改悪は、市町が現行制度を堅持しようとした場合に、妨げ(市の財政負担の増大)となることは明らかです。知事に市町の施策を妨げないように配慮する気があるのではあれば、一部負担金の導入を断念すべきです。私は、福祉医療制度堅持のために力を尽くす決意です。

●「教育に臨時はない」の大原則踏みにじる(久米慶典県議)

 山口県の臨時採用教員は今年度1224人、全教員の約1割を占めています。このうち865人は正規教員の欠員補充で教壇に立っています。この人たちは本来、正規教員であるべきはずです。都合が悪くなれば職を失う。臨時教員は、教育界の「派遣社員」です。

 賃金格差もひどいものです。県教組の試算では、同じ勤務年数で、仕事の中身が同じでも、正規と臨時とでは、55歳になると一カ月で13万円を超える格差が出てきています。

 同じように子どもを教えるのですから、本当は「教育に臨時はない」のです。教員間での賃金格差は将来的に教育をゆがめ、子どもが犠牲者になりかねません。

 35人学級は一歩前進しましたが、子どもたちが大切にされる教育を実現するために今議会も奮闘したいと思います。

■2009年度県予算案の特徴と問題点⑤

●雇用・景気対策、子育て支援で前進も

 ―派遣切りなど急激に増加する失業者対策や中小企業支援の取り組みは。

 吉田 原則半年(1年まで延長可)のつなぎ就業事業(雇用人員619人分)と、原則1年以上(更新可)の継続就業事業(同200人分)が盛り込まれています。(表4)

 貸し渋りに直面している中小企業対策として、経営安定資金(県信用保証協会の100%保証)の融資枠は300億円(今年度比220億円増)に拡大されます。

 ―子育て支援策も強化されます。

 吉田 妊婦健診を14回まで公費負担するための県助成制度が実現し、保育園などの施設整備も拡充されます。

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●財源は「その場しのぎ」の国頼み

 しかし、雇用対策も子育て支援も財源は、国の第二次補正予算に盛り込まれた「基金・交付金」頼みで、期間限定(表5)。抜本的な対策にはほど遠いのが現実です。

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 ―県独自の施策は。

 吉田 小学校での35人以下学級が小規模校でも実現し、母子家庭医療費助成制度の対象に父子家庭を追加し、「ひとり親家庭医療費助成制度」となったのが数少ない前進です。

■2009年度県予算案の特徴と問題点④

●高規格道路に突出

 ―公共事業の見直しはすすみましたか。

 吉田 ムダな大型公共事業への批判の高まりで公共事業関係費(投資的経費)は1307億円と98億円(7%)減少しています。しかし、新年度も不要不急の大型事業には大盤振る舞いです(表3)。

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 突出しているのは地域高規格道路の整備です。道路事業費全体は359億円と前年比28億円(8%)減少するなかで、4路線の建設費には139億円(道路事業費比39%)も投じられます。生活道路である県道の改良率が60%(全国43位)と遅れているなか、優先順位が逆さまです。

 新たな地域高規格道路の建設に向けた調査費も計上されています(4路線で2900万円)。党国会議員団の追及で国が関門海峡道路(第2関門橋)の調査事業を中止したことをうけ、県も調査事業の対象から外したのは当然の措置です。

●ダム、港湾整備も見直されず

 ―ダム、港湾整備も相変わらずです。

 吉田 熊本県や滋賀県がダム依存の河川行政の転換をすすめるなかで、山口県は平瀬ダム(岩国市錦)など建設中の3ダムに45億円投じるほか、新たに木屋川ダムのかさ上げに向けた調査費4000万円を計上しました。総事業費は400億円と想定されています。ダムに頼らない総合治水対策への転換を求める運動は急務です。

 来るあてもない大型船舶の入港をあてこんだ大型埠頭建設や航路しゅんせつを中心にした港湾整備事業にも60億円が投じられます。

●「聖域化」する国体向け関連予算

 ―2011年の山口国体に向けた予算は。

 吉田 メイン会場となる維新百年記念陸上競技場と水泳競技を行うための山口きらら博記念公園水泳プールの建設に合わせて41億円が使われるほか、各市町が行う競技施設整備のための補助金に3億4800万円などが投じられます。

 また二井知事の悲願である「天皇杯優勝」を勝ちとるための「競技力向上」に5億円が計上され、実業団や大学の有力選手の獲得などにも使われます。

 景気の急速な後退によってくらしと営業が脅かされるなかで、県民にはサービス切り捨てと負担増を押しつける一方、一過性のイベントに過ぎない国体を「聖域化」する姿勢は許せません。

■2009年度県予算案の特徴と問題点③

●「財源不足」宣伝で犠牲はすべて県民に

 ―知事は「600億円の財源不足」を強調していましたが。

 吉田 企業業績の急速な悪化で、法人事業税が半減するなど県税収入が359億円(18%)も減少しています。県は昨年発表した「中期財政見通し」で約240億円の財源不足を想定していましたから、「600億円」は税収減を合わせた単純計算にすぎません。

 ―どう穴埋めされたのですか。

 吉田 地方交付税は、自治体が「住民福祉の増進」をはかるため必要な財源を確保するために、国が集めた国税の一部を地方に再分配する仕組みです。自治体の税収が減れば、当然、地方交付税が増えます。現に、県の交付税収入は324億円増額(臨時財政対策債含め)されています。寄付金と基金の取り崩しを含めれば、「財源不足」は約200億円と、ここ数年と同水準です(図2)。

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●福祉は切り捨て、「聖域」は温存

 ―「財源不足」のツケはすべて県民に。

 吉田 「財源不足」は想定内にすぎないのに県は「未曾有の財源不足」を強調し、福祉医療や私学助成の後退、使用料・手数料の値上げ、補助金カット、県職員の給与引き下げなど経費の徹底削減をすすめました。一方で不要不急の大型公共事業や国体予算は「聖域」です。

 この“逆立ち”を正すとともに、「構造改革」路線によって大幅に減額されてきた地方交付税を復元させることが必要です。

■2009年度県予算案の特徴と問題点②

●補助金削り、使用料・手数料を値上げ

 ―各種補助金も大幅なカットです。

 吉田 「歳出の徹底的な見直し」方針のもとで、福祉、医療、教育、文化、農林水産、中小企業団体向けの補助金は3300万円(72件)が廃止、1200万円(42件)が減額されます。(表2)

0902_3  県の単独補助金は水田農業振興事業向けの1億円(2件)を含め、1億8600万円(7件)が廃止され、市町向けの補助金も農林水産向けを中心に9000万円(16件)がカットされます。

 ―使用料・手数料の値上げも目白押しです。

 吉田 83項目(820件)が値上げされ、5100万円の負担増となります。スポーツ・文化施設の使用料、観覧料や自動車保管場所証明書、県立病院の文書料証明書の手数料などが引き上げられます。

 現在、無料の職業訓練校(普通科)の入学検定料や入学金を徴収し、次年度からは年11万8000円の授業料を導入しようとしています。就職難のなか、職業訓練の充実こそ求められているとき、まったく逆行しています。

■2009年度県予算案の特徴と問題点①

●県民に負担、大型事業と国体は「聖域」

 山口県は二月十七日、2009年度一般会計当初予算案を発表しました。
 予算規模は7141億円(前年度当初比39億円、0・6%増)と9年ぶりのプラス予算となりました。発表会見で二井関成知事は、県民生活の安定的な継続と県づくりの歩みを止めないための「緊急事態対応予算」と強調しました。

 しかし、弱肉強食の「構造改革」路線の破局が生み出した景気後退と労働者の使い捨てなどで窮地に立たされている県民生活によりいっそうの負担を押しつける一方で、従来型の大型事業とイベント(国民体育大会)には大盤振る舞いの“逆立ち”予算です。

 特徴と問題点について、日本共産党山口県政策委員長(党県議団事務局長)に聞きました。

●福祉医療費助成制度に自己負担導入へ

―新年度予算案の一番の問題点は。

 吉田 福祉医療費助成制度や私立学校運営費補助など、これまで県民運動で拡充がはかられてきた施策が大幅に後退させられています(表1)。

0902  福祉医療費助成制度は、障害者や母子家庭の親子、乳幼児に必要な医療を保障してきたセーフティーネットです。失業や賃下げなどで経済的な困難が増しているなか、拡充が求められている時に、一部負担金を導入するなど許されません。

 二井知事は、「負担金は他県もとっている」と合理化します。「住み良さ日本一の県づくり」はまったくの「看板倒れ」だったことがますます明らかになりました。

●150団体が撤回要求し、議会請願も

 負担増を強いられる障害者や保護者など150を超える広範な団体と個人が県に改悪撤回を要請し、議会請願も提出されました。何としても改悪を阻止しなければなりません。各会派の対応が問われています。

●私学助成も史上初の切り下げ

 吉田 私立学校に対する運営費助成も史上初めて削減しました。(図1)。

0903_2  私学助成は、公立と比べ約3倍も多い私立学校の保護者負担を軽減するための制度です。毎年、助成拡充を求める10万人を超える請願署名が提出され、徐々に増額されてきましたが、公私間格差は是正されてはいません。

 ところが県は新年度予算案で高校生1人当たり単価を3500円切り下げました。国の予算措置は増額されているので、県の持ち出しは8888円もカットされました(図2)。

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