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2010年3月

■2010年3月議会・藤本県議の一般質問

●子育て支援の後退は許せない

 藤本県議は、ニ井知事就任後、県人口は9万人以上減少し、とくに14歳以下人口は五万人以上も減り、子育て世代に対する手厚い支援が県政の最重要課題になっていると指摘。乳幼児医療費助成制度の一部負担金の撤回を求めた水野純次議員にニ井知事が「子ども手当」の支給とからめて「ゼロベースで検討する」と答えた点にふれ、「制度の廃止を含めて検討する」という意味なら絶対に容認できないとのべ、子育て支援策の存続・拡充を重ねて求めました。
 ニ井知事は、「国と地方の役割分担の検討をみて対応する。今、廃止しないとか言う時期ではない。何れにしても慎重に検討する」と若干の含みを持たせる態度を示しました。

●療養病床の廃止は中止すべき

 藤本議員は、強行すれば大量の〝介護難民〟が生まれる「療養病床廃止計画」の中止を要求。「医療及び介護療養病床9524床のうち2827床を介護施設へ転換するというが、転換は403床。残り2880床が介護療養病床として維持できるのは平成23年度末まであり、他方、特別養護老人ホームの待機者は7898人にものぼり、計画強行は行き場のない介護難民を生む」と政府に廃止を中止するよう求めるべきだと迫りました。
 今村健康福祉部長は、「療養病床の目標数、介護療養病床の廃止時期を国が見直し・検討中であり、国の動向を注視したい。国に中止を求める考えはない」とつっぱねました。

●病院の耐震化を急ぐため県独自の取り組みを

 病院の耐震化や住宅リフォーム助成制度についても藤本議員は、「全ての建物に耐震性のある病院は51%、そのうち災害拠点病院と救急救命センターは53・8%で全国平均以下。耐震改修も対審診断もされてない建物も多く、耐震化促進へ県制度の充実と医療施設耐震化臨時特別交付金への上乗せを急ぐよう求めました。
 今村健康福祉部長は、県独自の制度や上乗せは必要ないと答弁。災害拠点病院・救命救急センター13施設中、一部でも耐震化がすすんでいない6施設のうち2病院は今回の交付金で工事を行い、残りは平成23年度以降になるとの考えを示しました。

●住宅リフォーム助成制度への支援を

 藤本県議は、住宅リフォーム助成は私有財産形成につながるとの考え(水野県議への県の答弁)は被災者生活再建支援法の議論の中で否定された旧来の考え方だと指摘。現に秋田県では住宅投資の波及効果による県内経済の活性化と併せて、居住環境の質の向上を目的とした「住宅リフォーム補助金」(予算額12億円、7000戸対象)をスタートさせたことも紹介して、市町の助成制度への支援や県独自の制度導入を検討すべきだと迫りました。
 柳橋土木建築部長は、「県が実施している耐震改修や県産木材利用の住宅建設は個人資産の形成につながるものだが、県が推進する住宅政策の目的の達成に資するものに限って実施しているもので、住宅リフォーム全般への助成は行うつもりはない」と拒否しました。
 なお、県の住宅耐震化促進事業にもとづく耐震改修の実績は24戸にとどまっています。

●35人以下学級から30人以下学級へ

 教育問題について藤本議員は、「全国では30人以下学級が広がっており、県でも小学1年生と中学1年生の30人学級化への取り組みを開始すべきだ」と迫るとともに、小中学校だけで500人を超えている非常勤講師の労働条件の改善と正規教員化が急がれていると提言しました。
 藤井教育長は、さらなる少人数学級化については、国が学級規模や教職員定数のあり方を検討中であり、その動向も注視したいとのべるにとどまり、非常勤講師については引き続き労働条件の維持・向上に努める考えを示しました。

●全国学力テストは中止を求めよ

 藤本県議は、国が抽出調査に切りかえた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、山口県を含む11県が、抽出対象に含まれなくても「希望利用」方式を取り入れて、すべての小中学校で、学力テストに参加することになったことについて、「県教育委員会の働きかけがあったのか」と追及。採点などで学校教員の負担は増すばかりで、全国学力テストは中止するよう国に求めるべきだと質しました。
 藤井教育長は、学テ参加は各市町の自主的判断だと県の関与を否定。採点や分析などのため、下関市、宇部市、山口市、光市、上関町が予算措置を検討しているとのべ、県教委も人的な支援を行う考えを明らかにし、学力テストは重要だと強弁し、中止要望は拒否しました。

■2010年3月議会・久米県議の一般質問

●「核密約」に抗議し、持ち込みの事実確認を

 久米県議は、日米両政府間の密約による核兵器の持ち込みと米軍再編問題を重点に質問。「岩国基地には1966年の少なくとも3カ月、基地沿岸に核が持ち込まれ、かつては核専門部隊と核兵器組み立て作業所が配置されていたが、政府は密約で持ち込みを黙認し、国民にウソをつき続けた。国に抗議すべき」と迫りました。
 二井知事は、「核密約はきわめて遺憾」としながらも、「鳩山首相が非核三原則を堅持する姿勢を見せているので、改めて国に抗議することは考えていない」とのべるにとどまりましたが、重ねての追及に「1960年代に岩国基地に核搭載艦が係留されていたとの報道について、外務省に照会しており、その結果を踏まえて、どうするかは考えたい」と答えました。

●艦載機部隊の岩国移転は白紙に戻せ

 久米議員は、空母艦載機の岩国移転について、昨年11月に来岩した防衛副大臣は普天間問題と併行して岩国基地問題も検証する考えを示したのに、二月来岩の防衛大臣は艦載機の岩国移転は決定だと地元市長にのべた。マニフェストと連立政権合意違反で、抗議すべき。沖縄県民は世論によって米軍再編に〝風穴をあけた。米軍再編はワンパッケージなのだから、沖縄でほぐれたら全体も考え直すべきであり、岩国移転の白紙への見直しを国に求めよ」と迫りました。
 二井知事は、「県も昨年11月、『見直しの方向で臨む』とした新政権の検証内容などを明らかにすることを求めて政府に文書をだした。その回答もないまま、突然、『ロードマップに従い進める』というのはきわめて遺憾だ」と政府の対応を批判。「再編案はワンパッケージであり、普天間の結論が出た段階で、再編全体の方向を示すよう国に求めていく」と答弁しました。

●愛宕山の米軍住宅化は明確に拒否を

 愛宕山開発跡地問題で久米議員は、仁比そうへい参院議員への答弁書で国は、「空母艦載機の移駐に伴い必要となる施設」のため買い取ると断言していると紹介。「このまま国に売れば米軍住宅・米軍施設がつくられる。『無条件で国に買い取ってもらう』という知事の立場ともちがってくる。『在日米軍の関連施設も無条件の範囲内』との県議会・県民への背信行為は撤回を」と迫りました。
 二井知事は、「沖合移設の国家プロジェクトに協力してきたことから、防衛省を窓口に国の買い取りを求めてきた。在日米軍関連施設も無条件の範囲内と考えてきたが、議会では今日初めて答弁した。しかし、(仁比氏らへの)政府答弁書で、艦載機移駐に伴う施設用地と明確になったので、これまでのような『無条件での買い取り要望』は行わない」とのべました。

●新滑走路の運用は安全最優先に

 沖合移設の工事進捗に伴い、この5~6月にも米軍が新滑走路の運用を開始しようとしていることについても久米議員は、「計画されている二本の誘導路のうち一本は運用予定時には完成していない。米軍に提供されていない施設もある。日本人作業員が多くいるなかで軍事作戦を行うことになり、安全面でも日米安保条約上も問題だ」と指摘しました。
 藤部理事は、滑走路の運用に必要な施設は開始までに整備され、米軍に提供されることになっており、安全面からも、条約上も問題はないと突っぱねました。

●岩国民間空港再開は再検討すべき

「米軍再編受け入れと引きかえのエサ」と批判の強い岩国民空については、需要予測、安全性、交通アクセスの全てで問題だらけであり、中止を含めて検討し直すべきだと質しました。
 小田地域振興部長は、民空は米軍再編とは別問題で、他空港より費用対効果が高く、非常に優位だと繰り返しました。

●本腰をいれた自殺防止対策を

 久米県議は、近年の自殺者の増加は、深刻な社会問題となっており、山口県の自殺者数も一昨年371人が、昨年は416人と45人(12%)の増と全国の増加率1.5%と比べても一層深刻な事態だと指摘し、「自殺防止対策の根本は、経済状況など社会的な要因の解決が必要だが、自殺の多くはうつ病に起因するものととらえられており、うつ病への対策を講ずれば、必ず効果がある」と強調し、うつ病に対する知識、理解を自殺防止と関連させて広く県民に知らせることを提案。また、県職員の自殺の状況と今後の対応を質しました。
 今村健康福祉部長は、山口県の自殺者の増加は、憂慮すべき状況だとのべ、防止対策については、うつ病との関連を念頭に置いた各種フォーラムの開催や「自殺対策強化月間」でのうつ病の症状としてよくみられる睡眠障害についての集中的なキャンペーンなどの取組を進めてきたとのべ、来年度は、うつ病と自殺との関連に焦点を当て、早期発見・早期対応を図るためのシンポジウムを開催するなど、普及啓発を一層推進すると答えました。
 また、県職員の自殺者は、この10年間に40人にのぼっていることが報告され、うつ病等心の疾患との関連も強いことから、心の健康の保持・増進を重点的に図り、特に、予防から早期発見・早期対応、そして再発防止まで、それぞれの局面に応じたメンタルヘルス対策を総合的にすすめる考えが示されました。

(2010年3月11日)

■2010年3月議会・水野県議の一般質問

●国の給付増を口実にした乳幼児医療の後退は許されない

 水野県議は、新年度県予算案の記者会見で二井知事が「国の子ども手当創設をふまえ、乳幼児医療対策費と多子世帯保育料等軽減事業の見直しを検討した」とのべたことについて、「子ども手当が満額支給されたら両制度を廃止するとの趣旨なら重大であり、撤回すべきだ」と迫りました。
 とくに水野議員は、知事が昨年、福祉医療費助成制度に一部負担金を導入し、県負担額を約4億3700万円も削減しているのに対し、県内の18市町は独自の財源をあて、無料化を継続(宇部市は一部)していることを指摘。「本来、県民福祉の増進のため、自ら負担すべき負担を市町に転嫁している現状を恥とは感じないのか」と批判し、「市町や県民関係者の要望に応えて完全無料化にもどし、制度の存続と拡充をこそはかるべき」と強く要求しました。
 二井知事は、「平成22年度中に子育て政策の国と地方の役割分担の見直しが行われる。廃止とかどうかとか、さきに結論ありきでなく、ゼロベースで検討する」と答えるにとどまり、「廃止せず、存続する」との明確な立場は示さず、今後に大きな問題を残しました。

●岩国基地の強化につながる米軍再編に反対を

 水野県議は、空母艦載機の岩国移転問題と愛宕山開発跡地の売却問題についても追及。「米軍再編は現時点で最終決定であり、今後見直しはないと考えているのか。愛宕山開発跡地は、米軍住宅には絶対にさせないと知事が政府から言質をとるべき。また、社民党が普天間の暫定移転候補の一つに岩国基地をあげたのは驚き。これ以上の基地強化は認めないと県議会も決議しており、社民党にも連立を組む民主党にも抗議すべきではないか」とのべました。
 二井知事は、二月の北澤防衛大臣来岩では地元が納得する説明は不十分だと答えた上で、「米軍再編案はすべてパッケージであり、普天間移設が決着した後に艦載機岩国移駐を含めた再編全体の最終方針を国が明確にすべき」と明言。社民、民主両党への抗議については、「あまりカッカしないで冷静に見まもる」としつつも、「さらなる(基地機能の)負担には応じられない」とのべました。

●再編のための買取には「現時点では応じられない」

 また水野県議は、愛宕山開発跡地について知事が、「無条件での買取を求めていく」といいながら、「用途が在日米軍関連施設であれば、無条件の範囲内」との認識を明らかにしたことについて、「『米軍家族住宅は、米軍関連施設にあたるのではないか」と質したのに対し、藤部総務部理事は、「米軍住宅は一般的に米軍関連施設に入る」と述べたうえで、「米軍再編の関連施設として整備するための買い取りには、現時点では応じられない」との立場を表明しました。

●私立高校授業料の実質無償化に踏み出せ

 水野県議は、政府予算案に高校教育無償化の方向が盛り込まれたことを評価したうえで、今年度、約3億3000万円計上されている私立学校生徒を対象にした特別就学援助制度を、新年度は入学金補助と生活保護世帯へのかさ上げなどに限定し、予算を約2億6000万円も削減したことを厳しく批判。広島県が「実質的な授業料」(平均42万4千円)と就学支援金の差額を、年収250万円未満世帯は全額、350万円未満世帯は3分の2を補助する方針を明らかにしていることも指摘し、「従来の予算額を上乗せに使えば、広島県と同等の施策は可能。公私間格差を解消するためにも、ぜひ広島県並みの対応をとるべきだ」と質しました。(参考資料)

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 二井知事は、県の特別就学補助金は、国の授業料軽減措置である就学支援金とその目的や効果が重なるため、生活保護世帯へのかさ上げや入学金補助など、国が手当していない部分について予算措置を講じたもの」と合理化しました。

中小企業の仕事おこしのため、住宅リフォーム制度への支援を

 水野県議は、地域経済の活性化・再生対策の一つとして、山陽小野田市が実施して大反響をよんでいる「住宅リフォーム助成制度」について、「大きな波及効果があり、県としても実施自治体への財政支援制度をつくるべきだ」と求めました。
 柳橋土木建築部長は、住宅リフォームへの助成は「個人資産を形成」するものだと旧来の考えに固執して制度創設を拒否。耐震化やバリアフリー化への助成という従来枠を繰り返すのみでした。

●2010年度山口県予算の分析

●古い〝自民党型〟予算から抜け出せず

 山口県は2月23日、2010年度一般会計当初予算案を発表しました。予算規模は7112億円(前年度当初比29億円、0・4%減)とマイナスに転じました(表1)。
 記者会見で二井関成知事は、新政権が家計への直接支援に政策の重点を移したという認識を示し、「国の政策転換に的確に対応し、くらしの安心・安全対策予算の編成に全力で取り組んだ」と力説しました。
しかし、格差と貧困がさらに広がるなかで、緊急課題の雇用創出や福祉施策の拡充策は国に依存して、県独自施策を後退させる一方、公共事業縮減のなかでもムダな大型事業と国体関連予算は聖域とする〝旧来の自民党型〟予算です。(表1)
 特徴と問題点について、日本共産党山口県政策委員長(党県議団事務局長)に聞きました。

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●政権交代で前向きな変化も

 ―新政権下での初めての県予算案です。
 吉田 新政権が家計への直接支援に重点を置こうとしているのは前向きな変化です。
 高校教育の「無償化」はその一つです。公立高校の授業料は無料になりました。しかし、私立高校の就学支援金は年収250万円未満世帯でも年額23万7600円にとどまり、校納金などを含めた「実質的な授業料」(平均36万8千円)には遠くおよびません。

●県独自の軽減対策は切り捨て

 吉田 問題なのは、公私立とも県独自の軽減対策を大幅に後退させたことです。今年度まで低所得世帯を対象に、県立では全額もしくは半額免除する授業料減免制度に3億6千万円、私立では授業料や入学金の一部を補助する特別就学援助制度に3億3800円計上していました(表2)。

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 ところが新年度から公立高校生の軽減制度は実質廃止し、私立の特別就学援助金も一部に限定され、予算は7100万円に激減しました。公立高校の授業料軽減分は、その同額が交付金から差し引かれるため、県にとっては、プラスマイナス・ゼロとなりますが、特別就学援助金の削減額は約2億6600万円になります(表1)。
 さらに私立学校にたいする運営費補助も高校生一人当たり2500円引き下げるなど8千万円カットしました。

●広島県など独自に「無償化」する自治体も

 ―どこも横並びなのでしょうか。
 吉田 広島県は「実質的な授業料」(平均42万4千円)と就学支援金の差額を、年収250万円未満世帯は全額、350万円未満は3分の2を補助する方針を明らかにしています。大阪府や京都府なども同様の施策が検討されています。山口県でも、従来の予算額を上乗せに使えば、広島県と同等の施策は可能なだけに、山口県の冷たさは歴然です。

●福祉医療の有料化も見直さず

 ―福祉医療の見直しは県民の強い願いです。
 吉田 知事は「持続可能な制度とするため」と見直しを拒否しました。改悪前の08年度と比べると4億3700万円も県負担を切り下げています。市町は独自に上乗せして、無料化を継続しています(宇部市は一部)。県民福祉のため、自ら負担すべき費用を市町に転嫁して恥じない県の姿勢は許せません。(表3)。

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 ―補助金カットも止まりません。
 吉田 今年度、各種団体向け補助金を廃止・削減(115件、4500万円)しましたが、新年度もさらに削減します(42件、520万円)。また、子育てや障害者支援など17件の単独補助金も廃止です(影響額2億3千万円)。
 「受益者負担」を名目に職業訓練校の授業料有料化など、1200万円の負担増を見込んでいます。

●「給付増」を逆手に、県制度廃止を検討

 ―知事が、乳幼児医療の見直しを示唆しました。
 吉田 非常に重大な発言です。子ども手当が満額支給されたら、乳幼児医療費助成や多子世帯保育料軽減事業、さらには私学助成も見直しを検討する、という趣旨です。
 子ども手当は、社会全体で子育てを支援するために支給されます。それを理由に、県が支援策を後退させるのは、自治体本来の仕事である「住民福祉の増進」を投げ捨てる発想です。
 こんな暴挙をくい止めるため、大きな県民運動が求められます。

●公共事業は15%も減少

 ―公共事業費は大幅に減少しました。
 吉田 「コンクリートから人へ」を名目に公共事業費(投資的経費)は1104億円(前年当初比203億円、15・5%減)にとどまりました。(表1参照)

●道路事業の半分は高規格道路に

 吉田 公共事業費で、もっともウェートが高いのは道路事業費(296億円)ですが、うち半分の144億円(49%)は、4つの地域高規格道路に投じられます(表4)。
 一方で、改良率が全国43位(60%)と遅れている県道改良費は57億8400万円と08年度(82億5百万円)と比べ3割も減少しています。

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●新たな高速道路網整備は見直しへ

 ―公共事業のあり方に変化の兆しは。
 吉田 新たな高規格道路の建設をめざして実施されてきた「高速道路網調査事業」は、国庫補助が打ち切られ、事業費は2千万円と9百万円減です。調査対象だった柳井玖西道路は、柳井市など地元自治体が「新たな道路より、既存県道の整備促進」に方針転換したことを受け、中止されました(表4)。

●ダム事業費も半減

 吉田 ダム依存の河川行政の転換を公約にした新政権のもとで、県内で建設中の3ダム合わせた事業費も20億円と今年度の半額しか計上されず、平瀬、大河内川ダムの本体工事は先送りされました(表3)。県は、今年夏頃、国交省が示す「ダム事業を検証する基準」にもとづいて、今後のダム事業のあり方を検討するとしています。

●ムダな大型事業を見直すチャンス

 ―ムダな大型事業をストップさせるチャンスですね。
 吉田 政権交代で、自公政権の時代には困難だった県民要求を実現させる可能性は広がっています。ムダな大型事業は見直し・中止に追い込み、県予算の主役を暮らし、福祉に転換させるチャンスです。

●国体関連事業は「聖域」

 ―山口国体は来年に迫りました。
 吉田 急ピッチですすむ競技施設の建設費や運営経費、競技力向上対策費を合わせた国体関連予算は300億円を超えます。一過性のイベントを「聖域」にして、巨額の税金をつぎ込むやり方は常軌を逸しているといわざるを得ません(表4)。
 なかでも競技力向上対策費は、県外の有力選手を招致することにも使われています。二井知事が悲願とする「天皇杯優勝」が目的なら言語道断です。勝利至上主義は本来のスポーツ精神をゆがめるものです。

●雇用も福祉は国の基金頼み

 ―雇用確保の取り組みは。
 吉田 離職者に対し、つなぎ就労の機会を提供する雇用創出事業は21億3千万円投じ、1432人分の雇用をつくります。安定的な雇用創出をめざすふるさと雇用再生事業は6億円で177人の雇用を計画しています。中小企業の経営を守るための制度融資は今年度並みが確保されています。
 ―子育て・教育の分野で前進は。
 吉田 子育て支援では、市町の創意ある取り組みや施設整備、児童クラブの運営費補助の拡大などが盛り込まれました(表6)。
 問題もあります。雇用も子育て支援も財源は国の「基金」頼みで、期間限定です。必要な予算は国の責任で恒常的に保証すべきです。

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●35人学級化は着実に前進

 ―少人数学級は前進しました。
 吉田 中学校は全学年で、小学校も4年生まで35人以下学級となります。しかし、非常勤の先生が増えているのは問題です。正規教員の増員を求めていく必要があります。

●「地域主権」は名ばかり

 地方交付税の拡充と大型事業の見直しは急務

 【解説】地域主権をかかげて誕生した新政権のもとで、地方への手厚い財政措置が期待されましたが、県予算案を見る限り、前向きの変化はありません。
 地方交付税は2330億円と192億円(9%)増ですが、県税の減収275億円はカバーできていません。しかも交付税の約3割の659億円は臨時財政対策債という「赤字県債」が充てられています(図1)。元利返済は100%交付税で措置されますが、借金(県債)には変わりありません。

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 自公政権時代から続く、国の場たり的な財政運営と、借金に頼ってムダな大型事業を続けた結果、山口県の県債残高は1兆2350億円に膨れあがりました。当初予算額の一・七倍にのぼる異常な事態です。
 山口県は土地開発、道路、住宅供給の三公社を2011年度末までに廃止する方針を明らかにしました。三公社はそれぞれ過大な投資を行ったため、300億円を超える債務をかかえており、廃止に伴い、新たな県債発行を余儀なくされると県債残高がさらに膨らむ恐れがあります。
 この責任は歴代政府と県当局が負うべきものです。借金のツケを県民に押しつけることは許されません。
 新政権に対し、過去の臨時財政対策債の償還は国の責任で行うよう求めるとともに、借金頼みのムダな公共事業はキッパリと中止し、「住民福祉の増進」を第一とする県政に転換する時です。

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