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●原発、自然エネルギーで行政視察

 日本共産党山口県議団(藤本一規団長)は、11月16~18日、愛媛、高知両県を視察。そのなかで17日、豊かな自然を丸ごと活かしたエネルギー利用で、全国注視の高知県梼原町を訪れ、同町の創意ある実践を学びました。

■自然の「宝」を最大限利用 創意生かし自給率100%めざす

・年4千万円の売電収益は太陽光普及の財源に活用

 梼原町の面積は2万3千㌶、91%が森林が占め、冬は積雪が1㍍にもなる山間地です。四万十川の源流域にあたり、「清らかな水を守る」取り組みの一つとして、標高1300㍍の四国カルスト台地に2基の風車(1基600㌔㍗)を建設し、風力発電の取り組みをはじめました。
 総事業費4億4千4百万円(風車建設費3億9百万円、送電線負担金1億3500万円)のうち、1億8300万円は国の補助金でまかない、1999年11月から発電を開始。発生電力は四国電力に1㌔㍗あたり11・5円で売電し、年間4千万円前後の収益をあげています。
 自然災害による故障は避けられませんが、保険制度があり、修繕費のうち、原因が落雷の場合は100%、台風は50%の保障があります。
 「自然で得た収益は、自然に返す」理念に立ち、売電収益は、「風ぐるま環境基金」に積み立て、森林整備と新エネルギー普及に使われています。
 その一つが、2001年にはじめた「水源地域森林整備交付金事業」。間伐をおこなった森林所有者に1㌶当たり10万円を交付する事業です。2010年までの10年間に6409㌶で間伐が行われました。東京・山手線の内側の面積に匹敵する規模です。山林の再生と林業組合員の雇用確保につながっています。

・6㍍の落差利用で中学校使用量の9割を供給

 小水力発電所は、梼原中学校の建て替え建設工事に伴う河川改修で生じた6㍍の落差を活かして建設されました。建設費2億1千100万円は「まちづくり交付金」で捻出しました。
 発電容量は53㌔㍗。2009年度は、学校で使用される電力の9割を発電し、16万㌔㍗は四国電力に売電しました。
 中学校にある生徒寮の冷暖房には木質ペレットをつかった設備が使われています。
 電力が必要なくなる夜間は、町の大通りに設置された82基の街路灯の電源として使用されています。

・地熱も利用してエネルギーコストを削減

 梼原町は地熱を利用した温水プールも建設。100㍍地下の地中熱をヒートポンプで圧縮加熱する方法を採用し、230㌔㍗相当のエネルギーを供給。水温を常に30℃に保つ際のエネルギーコストを70%削減することにつなげています。

・住宅への普及率は6% 公共施設にも積極導入

 「環境基金」を財源にした取り組みの二つ目の柱が新エネルギーへの助成制度。太陽光発電設備の設置に対して、1㌔㍗当たり20万円を助成しています(上限80万円)。山口県内では最も高い自治体でも1㌔㍗当たり3・5万円(上限14万円)、6倍も高い水準です。
 この制度のおかげで、梼原町の家庭における太陽光発電施設の設置率は6%(17軒に1軒)と全国でもトップクラス。総発電出力は434kwに達しています。
 町施設や学校、集会所など22の公共施設にも設置し、総発電出力は443kw。家庭用と合わせると880kwになり、一人当たりでは0・23kwと山口県の0・04kwと比べて5・75倍も普及が進んでいます。
 木質ペレットの製造・普及にも力を入れ、ペレットストーブ購入費の4分の1補助やペレット材料になる端材の買い上げ(トン当たり4千円)も実施しています。

・2050年目途にエネルギー自給率100%めざす

 梼原町は2050年を目途にエネルギー自給率100%を目標にかかげ、①風力発電40基建設、②家庭用太陽光発電500戸導入、③家庭用エコ給湯器200戸導入、④太陽熱温水器300戸導入、など具体的な目標をかかげ、補助制度をさらに拡充するなど、着実に歩を前に進めています。

【感想】小さな町の大きな挑戦 藤本一規県議

 初日16日、愛媛県では四国電力伊方原発の防災・安全対策について調査しました。担当者は、「9月に大分県からの要請をうけ、事故発生時の情報の開示や愛媛県からの海路での大分県への避難応援に関する確認書を交わしました。山口県から同様の確認書を交わしたいとの連絡があれば、対応を検討したい」と答えました。山口県の一部は、伊方原発から30キロ圏内に入っています。山口県も同様の対応が必要なことを痛感しました。
 翌日、四国電力伊方原子力発電所を訪ねました。担当者は、「大規模災害に備えた取組みとして耐震裕度2倍を確保したい」と答えました。
 伊方原発沖には、中央構造線断層帯が走っています。伊方原発では、県などの要望を受けて、安全上重要な主要機器が、基準地震動(岩盤上で570ガル)に対し、2倍程度の余裕があるかを確認し、対応が必要なものは実施する方針を明らかにしています。上関原発周辺海域にも活断層が散在しています。津波対策に加えて、ゆれに対する抜本的な対策を強化して計画への見直しは急務です。
 午後は、高知県梼原町を視察。同町は、環境と共生のまちづくりに取り組み、新エネルギーの導入を積極的に取り組んでいます。町は、環境アクションプランを作成し、最終的には、町のエネルギーを100%自給することを目標にしています。小さな町の大きな挑戦は、大震災と福島原発後の日本に多くの示唆を与えてくれます。
 最終日18日は、高知県を訪ねました。同県は、今年3月、「新エネルギービジョン」を更新しました。私は、6月議会で、山口県でも計画を更新すべきと質問しましたが、国の対応を待つと消極的な対応でした。
 高知県では、今年度から新エネルギー推進課が創設され、政策推進の力となっています。山口県でも新エネルギーを推進する体制の整備が必要です。
 大震災後の山口県づくりに生かせる極めて充実した3日間の行政視察でした。

【感想】見えた地方自治の原点 木佐木大助県議

 愛媛県、伊方原発の視察を終え、龍馬の脱藩ルートを逆走して、高知県梼原町へ。腹を据えた自然エネルギーに取り組む先進地に入ったとたん、疲れも吹っ飛びました。何よりも迎え入れてくれた女性職員さんが「赤旗も紹介してくれましたね」との一言は、どんな栄養ドリンクよりも効果抜群でした。
 戦後一時期は1万を数えた人口は今や3853人。高齢化率も40%を越え、議会は定数8人(党議席は空白)で、町役場の職員は50名足らず。
 標高220㍍から1456㍍という山間の地で山林が九割占める広大な地域に、町立の小中一貫校と県立高が一つづつという大変な状況ですが、「森と風、光と水」を檮原の誇るべき財産・資源として、町として新エネルギー政策に転換して13年。住民と行政、議会が営々と町づくりに励む姿に風格を感じさせられました。
 説明の冒頭、挨拶された議長さんが「自分たちは大々的にやっているわけではなく、かじりかじりやってきた。これまでも『森と水の文化構想』を基本理念に『共生と循環の思想』として発展させ、3・11以降は、これに『地域の絆』を柱に据えている」と訥々と語ったことに、地方自治の原点と苦闘が感じさせられました。
 最後に高知県庁を訪ねました。同県は、①生活を守る、②産業をつくる、ことを両輪に、市町村あっての県、それぞれ実態が違う市町村が具体的主体的に取り組むよう、「県はできるだけ口出しせず応援する」という姿勢を強調されました。その立場から、53人の県職員を各自治体に派遣し、地域産業の振興を手伝っているそうです。
 今回の視察は、原発立地県の愛媛県と、全県中山間地で新エネルギー政策で模索する高知県を駆け足で視察しましたが、まさに山口県の明日を暗示する視察となりました。「夜明け前」の山口県。朝をこじ開けるためにも、今後、議会で頑張ります。



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