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■重要課題で中央省庁からレクチャー

 日本共産党県議団は5月23、24の両日、衆議院第一議員会館において、上関原発建設計画や空母艦載機部隊の岩国移転、東日本大震災の災害廃棄物の「広域処理」など県民の命とくらしにかかわる緊急課題について、中央各省庁の考え方を聞くとともに、意見交換しました。これには藤本一規、木佐木大助両県議と吉田達彦事務局長が出席。山田泰之岩国市議、河合喜代山口市議らも同席しました。

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「原発の新規立地は客観的には困難」―原子力安全・保安院

 経済産業省に対しては、国がすすめている新たなエネルギー政策においては、「原発ゼロ」を明確にかかげ、これから新規に建設が計画されている上関原子力発電所については、中止を求める県民世論が高まっていることを伝え、今後の対応を聞きました。
 このなかでは、上関町の周辺自治体をはじめ、県内の多くの議会で上関原発の建設中止や凍結を求める意見書が上がっていることを指摘し、上関町でも原発に頼らない街づくりのあり方を検討する動きが出ていることも訴えました。
 応対した経済産業省原子力安全・保安院の担当官は、「今日の状況で、新増設は客観的な状況として困難だと認識している、と総理も言っている」と言明。「現在、夏に向けて中長期的なエネルギー構成を検討しているところ。今後、立地自治体の意見も聞きながら検討していく」と述べたうえで、「今、方針が固まっているわけではないが、上関に限らず、新規または申請前のもの、予定だけのものもあるが、(新規立地は)状況としては困難だと客観的には思っている」と答えました。

「普天間も艦載機も進める」―防衛省

 防衛省では、沖縄普天間基地の移設問題の解決のメドが立つまでは、空母艦載機部隊の岩国移転は行わないという約束を厳守する考えに変わりがないか、たずねました。
 防衛省の担当者は、「普天間基地移設も、空母艦載機部隊の岩国移転も着実に進めたい」という考えに力点を置き、艦載機の先行移転については「県や市が懸念されるような事態にならないよう全力で取り組む」と述べるにとどまりました。
 そのうえで防衛省は、愛宕山開発用地への米軍住宅建設に向け、同地区の測量と地質調査の業務委託の入札を4月16日付で公告したことを明らかにしました。
 交渉に参加した山田泰之岩国市議らは、「普天間問題は完全に行き詰まり、まったく見通しが立たない中で、艦載機の岩国移転のための米軍家族住宅建設に向けた工事を進めることは許されない」ときびしく指摘しました。
 防衛省は、「艦載機移転のための準備行為は県や岩国市も容認している」と開き直りました。
 交渉後の調査で、防衛省は愛宕山への家族住宅及び運動施設の建設のための基本設計と電気・機械などの基本設計の業務委託を25日付で公告していることがわかりました。履行期限は来年1月末としています。

自然エネルギーの普及に向け、新たな補助制度―資源エネルギー庁

 資源エネルギー庁に対しては、自然エネルギーの活用を促進させるため、電力を「自分で作り、自分で消費する」取り組みへの支援を強めるとともに、小水力や風力、バイオマスなど再生可能エネルギーの開発や施設整備への助成策を検討する考えはないのか、聞きました。
 同庁の新エネルギー対策課の担当官は、エネルギーの「地産地消」の取り組みは大事だとのべ、再生可能エネルギーの発電施設を設置し、その電力を自ら消費する取り組みを支援するため、新年度から「再生可能エネルギー発電システム等導入促進対策費補助金」(約10億円)を設けたことを紹介。これは、自治体や民間団体等の設備導入に対し、2分の1~3分の1を補助する仕組みです。
 また、小水力発電は大きな可能性があるとのべ、小水力発電設備メーカーと自治体などが共同で実用化に向けた実証実験を行う場合、事業費の3分の2を補助する「小水力発電導入促進モデル事業費補助金」(7億円)を新たに設けており、この6月から募集を開始することも明らかにしました。

「農地・水交付金の予算確保は困難」―農水省

 農林省では、農地・水保全管理交付金を当初計画通りに交付するよう求めました。同交付金について山口県は当初予算で12億8000万円を見込んでいましたが、実際には8億円しか予算措置されていないため、各地域の管理組合で収入不足が生じ、このままでは農家が負担せざるを得ない事態になっています。
 農林省の担当官は、「交付手続きを簡素化したことで、要望が増え、予算が足りなくなり、ご迷惑をかけている。政府に予算増額を求めているが、今年度は大変、きびしい」とのべました。

「劣化ウランの対応は適切に対処」―文科省・消防庁

 三井化学岩国大竹工場での爆発火災事故をうけて、同工場に放射性廃棄物(劣化ウラン)が大量に貯蔵されていたことが明らかになった問題では、所管の文部科学省と消防庁に対し、情報提供のあり方を改善するとともに、実態を把握し、安全確保に万全を期すよう求めました。
 文科省の担当官は、地元の要望もあり、5月17日、現地調査した結果、保管状況も空間線量にも問題はなかったと答えました。
 藤本一規県議らは、大量の放射性廃棄物を住宅密集地にある工場内に保管し続けながら、地元自治体はその事実を知らないなど改善すべき問題は多いのではないかと指摘。文科省は「情報提供の仕方や保管のあり方など考えるべき課題は多い。関係省庁とも協議したい」とのべました。
 この問題では消防庁の担当官も「事故を踏まえて地元自治体で協議が行われており、住民の安心・安全の向上がはかられるように、関係省庁と連携し、適切に対処したい」と何らかの改善策を検討する考えを示しました。 

「低空飛行訓練は必要」―外務省

 外務省に対しては、米軍岩国基地所属のFA―18などが中国地方各地で低空飛行訓練を繰り返し、住民に恐怖を与えたり、岡山県津山市では土蔵を崩壊させるなどの被害を広げていることを指摘し、米軍に対し、低空飛行訓練の中止を求める考えはないのか、たずねました。
 外務省の日米地位協定室の担当官は、米軍の低空飛行訓練は日本を守るために必要な訓練だと強弁。交渉参加者が、日本の航空法が定める最低高度基準(住宅地で300㍍等)を逸脱した事例を具体的に指摘しても、「米軍に問い合わせた結果、航空法を守っていると回答があった」などと米軍を擁護する姿勢に終始しました。
 実態把握のため現地調査を求めたのに対しても、「近々、調査することは困難。情報があれば知らせて欲しい」と述べるにとどまりました。

 このほかの主な質疑は次の通りです。

〈防衛省〉

 問 在沖縄海兵隊の岩国基地への移駐が再燃する可能性はないか。
 答 これ以上、岩国基地への追加的な配備はない。

 問 艦載機部隊の移転に伴って岩国基地内に整備される施設と、その所要額は。
 答 格納庫や駐機場、住宅などが整備される。2006年度から昨年度までの所要額は1600億円。

 問 普天間飛行場に配備予定のMV―22オスプレイが岩国基地に一時移駐、または飛来する可能性は。
 答 配備時期は検討中であり、決定はしていない。配備後、訓練のため岩国基地を含め、他の基地に飛来する可能性はある。米軍が行っている環境アセスメントの結果は近々、出されると聞いており、日本政府にも報告される。

 問 基地内のクロゴケグモ駆除対策の進ちょくは。
 答 米軍の責任で対策を進めており、これまでに成体と幼体合わせ約26000匹が駆除されている。

 問 岩国市の調査では基地外でも発見されているが、国は認識しているか。
 答 知らない。岩国市に問い合わせ、適切に対応したい。

〈環境省〉

 問 東日本大震災の災害廃棄物の「広域処理」の進ちょく状況は。
 答 広域処理の対象は宮城県127万㌧、岩手県120万㌧。これまでに19都道府県が最優先での受け入れを表明し、7県が受け入れに前向きな回答をもらっている。現在、具体的に決まっている処理量は約100万㌧となった。

 問 山口県は焼却灰をセメント材料に再利用している事情もあり、受け入れを表明した自治体はないが、今後、強制するようなことはないのか。
 答 それぞれ事情があることは承知している。強制するようなことはなく、あくまでも協力をお願いし続ける。

 問 アルゼンチンアリの被害は山口、広島両県の広い範囲に拡大している。駆除に国が支援すべきだ。
 答 生物多様性保全推進支援事業として、防除事業を支援してきたが、全体の予算が2億円しかなく、今以上の対応は困難だ。

 〈経済産業省〉 

 問 東ソー南陽工場、三井化学岩国大竹工場で相次いで重大事故が発生した。高圧ガス保安法にもとづく「保安検査」を企業まかせにしていていいのか。
 答 「自主保安検査」と事故との関係などを精査して、今後のあり方を検討していきたい。

                                          (文責:吉田達彦)

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