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■慰安婦意見書に反対討論■

 日本共産党を代表して討論を行います。

 意見書第2号、「従軍慰安婦」に関する適切な対応を求める意見書案についてです。

 自民党、自民党新生会、公明党、新政クラブが提出した同意見書案は、「慰安婦問題にかかわって暴力で無理やり女性を強制連行したとする、いわゆる『吉田証言』や、これを引用した報道」などが原因となって、

 一つに、「我が国の国益が不当に損なわれることとなった」、

 二つに、「一部の歴史教科書において、『従軍慰安婦』や『強制連行』をあらわす記述がなされるなど、国民に史実に基づかない誤った歴史認識をもたらす要因ともなっている」と断じています。

 そのうえで、「吉田証言」が「虚構であることが確認・挙証された」ことをあげて、「慰安婦問題について、国内外に広がった、我が国及び日本人に対するいわれなき批判や、誤った認識を是正し、客観的事実に基づく正しい歴史認識が形成されるよう、適切な措置を早急に講じる」ことを国に強く要望する、としています。

 これほど、甚だしい事実誤認と歴史の偽造に満ちた文面は見たことがありません。

 総務企画委員会において、私が、提出会派である自民党に「意見書を採択することは、『河野談話』の否定につながるという認識があるのか」と尋ねたのに対し、「意見書で河野談話が誤った認識とは記載していない」と答えられました。

 ところが、「いわれなき批判や、誤った認識」とは何か、と尋ねたのに対して、自民党は「従軍慰安婦という言葉は戦争当時には存在しなかった。軍の関与を表す、吉田証言に基づく報道等から生まれた言葉であり、様々な誤解を招いている」と述べました。

 さらに、「慰安婦問題に『性奴隷』という言葉を絡めて、我が国と、日本人の名誉を貶める活動が、韓国国内のみならず、諸外国でも活発化している」とも答えられました。

 私は耳を疑いました。山口県の自民党は、日本軍の関与による「従軍慰安婦」の存在、多くの女性たちが「性奴隷」にされたという事実、そのものを「いわれなき批判や、誤った認識」だと断定されたのです。

 公明党と新政クラブのみなさんも共同提出者として、同じ立場に立たれているわけです。

 この意見書を採択することは、「河野談話」をなきものとし、「従軍慰安婦」の存在そのものを否定するに等しく、それこそ「国民に史実に基づかない誤った歴史認識をもたら」すものにほかなりません。
 

 「意見書案」は、日本軍「慰安婦」問題を矮小化しようという考えに貫かれたものです。

 第一に、「慰安婦」とされた女性たちが、「慰安所」において、性奴隷状態にされたという事実を無視しています。

 自由のない生活を強いられ、強制的に兵士の性の相手をさせられたという事実は、多数の被害者の証言とともに、旧日本軍の公文書などに照らしても動かすことができない事実です。「河野談話」でも、「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」と指摘しています。

 加えて、各国の「慰安婦」が、日本政府を被告として謝罪と賠償を求めた8つの裁判でも、日本の裁判所は、被害者の女性たちが、「慰安所」に入れられた後の生活は、一切の自由を奪われる状況の下で、連日にわたって多数の軍人相手の性行為を強要されるという、文字通りの「性奴隷」としての悲惨極まりないものだった事実を具体的に認定しています。

 この事実こそ、「軍性奴隷制」として、世界からきびしく批判されている、日本軍「慰安婦」制度の最大の問題です。

 第二に、「慰安婦」とされた過程における強制性を「人さらい」のように「暴力で無理やり強制連行」した事実があったか、どうかに矮小化しています。

 「強制連行」でなくとも、甘言やだまし、脅迫や人身売買など、「慰安婦」とされた過程に「本人たちの意思に反した」強制があったかどうかが問題なのです。

 この点について「河野談話」は、「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合にも、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したことが明らかになった」と明瞭に認定しています。

 この問題では、先月11日に放映された「報道ステーション」で、「河野談話」の作成に直接、関わった石原信雄元官房副長官は、「繰り返し申しますが、河野談話の作成過程で『吉田証言』を直接根拠にして強制性を認定したものではない」と明言しました。

 こうした事実は、「吉田証言」が崩れたことを根拠に、「強制連行」は「虚構であることことが確認・挙証されている」と記している「意見書案」こそ「史実に基づかない誤った歴史認識をもたらす」ものであることを明確に示しています。

 「意見書案」は、「慰安婦」問題の核心である、日本軍「慰安所」において、性奴隷状態とされた事実を「いわれなき批判」と切り捨て、「慰安婦」とされた過程における強制性も「強制連行」だけに矮小化することで、旧日本軍の戦争犯罪を免罪しようとするものです。

 それは、自民党や公明党がいくら弁解しようと、「河野談話」の否定にほかならず、国内はもとより、国際社会から大きな非難をあびることは避けられません。

 県民の多くは、「河野談話」に示された歴史認識を共有し、「慰安婦」問題の全面的な解決を求めています。にもかかわらず、この意見書案が本会議で採決されれば、県民の意思を代弁する山口県議会としての意思表明となってしまいます。こんなことは絶対に許されません。

 また、国連の人権差別撤廃委員会が8月末、明らかにした日本への総括所見では、ヘイトスピーチなどの問題とともに、慰安婦問題についても次の行動を即時にとることを促すとしています。

 第一は、日本軍による「慰安婦」の権利の侵害に関する調査の結果を出し、人権侵害に責任ある者たちを裁くこと

 第二は、すべての生存する「慰安婦」あるいは彼女たちの家族に対する誠実な謝罪の表明と適切な賠償の提供を含み、「慰安婦」問題の包括的で、公平で、持続的な解決を追求すること

 第三は、それら出来事の中傷あるいは否定のあらゆる試みを非難すること。
の三点です。

 これから採決される意見書案は、この国連から突きつけられた指摘に、真っ向から背くものであることは明らかです。

 採決の強行は、多数の県民と国際社会への裏切りであり、「慰安婦」問題の本質と実態を隠し、重大な戦争犯罪を行った勢力を免罪するものにほかなりません。

 よって日本共産党県議団は、良識ある県民の代表の一人として、同意見書案は、直ちに撤回されるよう求めて、反対討論とします。


(2014年10月10日)

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