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2017年2月

■艦載機移駐などで政府交渉

 山口県議団は2月8日、米軍岩国基地への空母艦載機移駐や下関北九州道路、国民健康保険のについて、関係省庁からレクチャーを受け、県民の願いを届けました。垣内京美さん(衆院中国ブロック予定候補)も参加しました。

E-2Dの事前配備は、「先行移駐」

 防衛省では、2006年に発表された米軍再編に関するロードマップで岩国移駐が計画されていた早期警戒機がE-2Cから、最新鋭のE-2Dに機種変更されたことに関し、

 ①E-2CとE-2Dの性能の違い、

 ②配備前の事前訓練を岩国基地を行うのは、同基地にしか支援施設がないためと説明されているが、E-2Dのための支援施設は当初から計画されていたのか、

 ③訓練はどの空域で実施されるのか、について質しました。

 担当官は、

 ①レーダー性能の警戒監視能力や探知追跡能力が向上している(デジタル化)、

 ②E-2Dに対応した支援施設については、防衛省として承知していない。ちなみに米側が施設整備したものについては承知していない、

 ③訓練は岩国臨時留保空域など既存の訓練空域で実施される、などと説明しました。

 ※後日の調査で、E-2Dの支援施設は米海軍の2016米会計年度予算で、「E-2D運用訓練施設」として871万6千ドル(当時のレートで10億6千万円)が計上されていました。

艦載機移駐の一方的な通告は信義違反

 空母艦載機部隊の岩国移駐に関しては、

 ①県と市が移駐を「容認」していない中で、移駐時期を一方的に通告したのは信義に反する行為ではないか、

 ②移駐時期を在日米海軍が発表することは、当初から想定されていたのか、

 ③普天間基地移設の見通しについて、防衛省の宮澤政務官は岩国市議会全員協議会において、「最高裁判決により、一つの見通しにはなった」と説明したが、その真意は何か、

 ④岩国市が「容認」の条件としてきた43項目の安心安全対策について、同政務官は、「完全実施でなければ、移駐が認められないとは、我々はとらえていない」と答弁したが、この真意は何か、

 ⑤移駐完了後の着艦資格取得訓練(CQ)は、どのような形で実施されるのか、質しました。

 担当官は、

 ①移駐時期について地元には、米軍との協議が整い次第、説明するとしてきており、今般、協議が整ったので、説明したもの。今後も、地元の理解が得られるよう説明していく、

 ②米側とは協議を続けていたが、その内容は詳(つまび)らかにすることは差し控える、

 ③普天間基地移設の見通しについては、最高裁判決を受けて、防衛省が埋立工事を再開したことを踏まえ、「一つの見通しになった」という見解を示したものと承知している、

 ④岩国市長の艦載機移駐の判断については、「43項目を完全に実施した後に判断されるものではない」との考えから述べたもの、

 ⑤運用に関するもので承知していない、などと説明しました。

下関北九州道路の「復活」は許せない

 国交省では、下関北九州道路について石井国交相が昨年11月16日の衆院国土交通委員会で、「地元の要望は十分受けとめている。一度、必要性を再整理することが必要」と答弁し、同月20日には視察先の福岡市で、「(関門橋などの)バイパス機能を有し、他の海峡プロジェクトとは違う」などと説明したことを指摘し、今後の対応を質しました。

 担当官は、大臣の発言は、地元から熱意ある要望を頂いている、すでに橋、トンネルがあるという点で他の海峡横断プロジェクトとは違うという認識を示したもの。来年度予算に向けて、この時期に、特段、何をするということは決まっていない。今度、どうしたことをやるのか、考えているというのが、リアルな状況、などと説明しました。

※石井啓一国交相は2月20日の衆院予算委員会で、地元自治体が行う調査について「技術面や予算面から必要な支援について検討したい」と表明。下関北九州道路の建設に向けた調査に、700万円を新年度予算に計上されることが決まりました。

●岩国市議会全協―国が艦載機の「先行移駐」を合理化③●

焦点⑤ 岩国でのNLP否定できず

恒久施設は早くても10年後

 「岩国基地での、FCLP(陸上空母離着陸訓練)は容認できない」という点でも質疑が集中しました。

 宮澤政務官は、「現行通り硫黄島(東京都)で実施するよう米側に求めていく」と説明しましたが、「FCLPは、抑止力維持に不可欠の訓練であり、悪天候の場合は、岩国や厚木、三沢基地を予備基地指定することはある」という考えを改めて示しました。

 関連して、政府が検討している馬毛島(鹿児島県西之表市)への恒久施設計画も取り上げられ、「馬毛島に完成すれば、NLPはすべて馬毛島で実施されると考えていいのか」と問われたのに対し、防衛省地方協力局の谷井次長は「そうなると考えている」と答えました。

 また、谷井次長は、施設完成までの期間について「土地取得後、ざっくり申し上げて10年程度はかかる」と明かしました。

馬毛島の地元・西之表市でも「反対」が民意

 馬毛島がある西之表市では、FCLP恒久施設の受け入れを最大の争点にした市長選挙が先月29日投票で行われ、6人が立候補。反対派の候補が2,428票を獲得し、首位でしたが、法定得票2,543票(有効投票総数の4分の1)に115票足らず、公選法に基づく再選挙(50日以内)が決まりました。

 候補者6人のうち、反対派4人の総得票数は7,376票(72.5%)、賛成派2人は2,796票(27.5%)で、市民の圧倒的多数が「反対」の意思を表しました。

 FCLPの恒久施設は、2006年の「ロードマップ」では、米側の強い意向で岩国基地から半径180km圏内に建設するとされていました。

 岩国基地から馬毛島までは約400kmあります(下図)。硫黄島までの1400kmと比較すれば、3分の1ですが、ほぼ海上を飛行する硫黄島と違い、岩国から馬毛島まで最短ルートの眼下には、多くの住家があり、騒音や事故の危険は間違いなく高まります。

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焦点⑥ 市民の安心安全と、米軍基地は「共存」できない

国は「金で済む」ことには大盤振る舞い

 岸信夫外務副大臣、宮澤政務官らは、岩国市が求めていた地域振興策について、いくつかの「お土産」を披瀝しました。

 ➀岩国南バイパスの柳井市に向けての南伸については、早ければ2017年度から道路ルートと構造の検討段階に入る。

 ②防犯灯、防犯カメラの設置は2017年度から取り組む

 ③小中学校の学校給食無料化のための予算措置は2018年度から実施できるよう取り組んでいく。

 すでに岩国市は、米軍再編に協力する自治体に出されている交付金を財源にして、子ども医療費の中学校卒業まで無料化や学校施設への空調施設整備などを進め、福田市長は「基地との共存」を市政の基本方針に据えようとしています。

 基地関連の交付金がなくても、中学校卒業までの医療費無料化や小中学校への空調施設整備、学校給食無償化に取り組んでいる自治体は少なくありません。

 昼夜と問わず爆音をまき散らし、墜落の危険をもつ戦闘機が飛び交うもとで、市民の安心・安全は守れません。

海外で唯一の「空母母港」返上が最善の策

 横須賀基地に米空母が初めて配備されたのは1973年です。

 当時、日本政府や米軍は「(空母の配備は)おおむね3年」「新たな施設・区域の提供を要するものではない」「(空母艦載機の)厚木飛行場での離着陸訓練を実施しない」などと約束しました。しかし、これらの約束はすべてほごにされ、空母居座りは42年にも及んでいます。

 「住民合意のない艦載機部隊の移駐を許さない」―この世論と運動を広げるとともに、海外で唯一の米空母の「母港化」返上を迫るたたかいを広げることが大きな課題となっています。

(この項、終り)

●岩国市議会全協―国が艦載機の「先行移駐」を合理化②●

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(前項から続き)

焦点④ E-2Dの配備前訓練は「先行移駐」そのもの

一旦、空母に帰るから先行移駐ではない

 この2月からE-2Dの配備前訓練を実施することについても質問が集中。「移駐を容認していない現状では、『先行移駐』ではないかとの懸念を抱かざるえない。訓練内容となぜ岩国で訓練を行わなければいけないのか、その理由を示せ」と迫りました。

 宮澤政務官は、以下のように説明しました。

 ①2~3カ月程度、岩国に前方展開し、配備前訓練を実施する。

 ②訓練を実施した後は、一旦、空母ロナルドレーガンに搭載される。

 ③訓練内容は、第5空母航空団、空母ロナルドレーガン及び海兵隊岩国航空基地と一定期間の空域慣熟訓練、地上管制慣熟訓練等を実施する予定。

 ④配備前訓練を岩国基地で実施する理由については、E-2Dを支援する施設が岩国飛行場にしか存在しない、と説明を受けている。

「米軍の運用に関わる」事項は全て秘匿

 共産党の山田泰之市議は、早期警戒飛行隊について「E-2Cは4機だった。E-2Dに変更し、5機とされている。なぜ、変更されたのか。岩国基地にしかないという『支援施設』の内容も説明すべき」と追及。

 宮澤政務官は、「米側からは、航空機の機数は、その時々で変動しうるものである。運用や時々の情勢において、適正な体制を維持するためのものと説明を受けている。岩国基地にしかない支援施設に関しては、米軍の運用に関することなので、答えられない」と突っぱねました。

発表通り、E-2D5機が岩国基地に「先行移駐」

 2月2日15時過ぎ、早期警戒飛行隊のE-2Dが5機編隊で、岩国基地に飛来、「先行移駐」されました。

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移駐機数も「米軍の運用」次第

 関連して、共産党の小川安士市議が、「今回の説明では、ロードマップで59機とされていた移駐機数が61機となっている。詳細を明らかにせよ」と説明を求めました。

 宮澤政務官は、「米側は公表を差し控えており、(今回の機数は)通常の運用から導き出したもの。FA-18の1飛行隊は12~13機で運用されている。想定しているのは、FA-18が4飛行隊で48機、EA-18Gが6機、E-2Dが5機、C-2が2機、という見込みで61機と言っている」と答えました。

 前述の説明と考え合わせれば、「運用や時々の情勢において、適正な体制を維持するため」に、FA-18の4つの飛行隊が13機で運用され、52機となる可能性もあることを示しています。

(続く)

●岩国市議会全協―国が艦載機の「先行移駐」を合理化①●

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 在日米海軍司令部が1月5日、空母艦載機部隊(神奈川県厚木基地)の岩国移駐を「2017年後半」から開始するとともに、早期警戒飛行隊(E-2D、5機)を今年2月から岩国基地に「先行移駐」すると発表したことを受け、1月27日、岩国市議会全員協議会が開かれ、岸信夫外務副大臣、宮澤博行防衛大臣政務官らが米側の発表内容を報告。日本共産党市議団(大西明子団長、4人)を含め、9会派13人の市議が質疑を交わしました。

福田市長も「困惑の思い」を表明

 冒頭あいさつした福田良彦市長は、「安心安全対策や地域振興策などについて、現時点においては、我々が納得できる十分な成果が得られておらず、まだ残された課題があるなかでの国の説明であり、私としては、困惑の思いを感じている」と複雑な思いを語りました。

59機が61機に増え、今年7月から移駐開始

 政府の説明は次のような内容です。

 ①原子力空母ロナルド・レーガンが母港の米海軍横須賀基地(神奈川県)に寄港する今年7月以降に移駐を開始する。

 ②主力のFA18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機の4部隊(約48機以上)が今年11月ごろと18年5月ごろに2部隊ずつ移駐する。

 ③EA18Gグラウラー電子戦機6機とC2グレイハウンド輸送機2機は18年1月ごろに移駐する。

 ④早期警戒飛行隊は、現行のE-2C(4機)から、新型のE2Dホークアイ(5機)に機種更新され、今年2月から岩国基地に「先行移駐」して、2~3ヶ月間、空域慣熟訓練、地上管制慣熟訓練等を開始。その後、いったん空母に搭載され、空母寄港後に岩国基地に再飛来する。

艦載機移駐に対する岩国市、山口県の「基本スタンス」とは

 これまでの議会論戦で確認された県、市の基本スタンスは、

 ①今以上(ロードマップの内容)の基地機能の強化は容認できない。

 ②NLPは容認できない。

 ③これ以上(ロードマップの内容)の負担増は認められない。

 ④普天間基地移設の見通しが立たないうちに、艦載機移駐のみを切り離して移駐を進めることは容認できない。

 以上、4点です。

 これに加えて岩国市は、米軍人、軍属による事故や犯罪の防止策、騒音軽減対策、生活環境の充実など43項目の「安心安全対策」と、岩国南バイパスの南伸などの地域振興策の実施を移駐容認の条件としています。

焦点① 普天間移設の見通しが立たないうちは容認できない

曖昧な説明に終始し、「見通しが立った」とは言えず


 宮澤政務官は、「県、市の基本的考えは承知している。政府としては、普天間飛行場の移設についても、艦載機の岩国飛行場への移駐についても着実に進めていきたいと考えており、艦載機の移駐のみを進めるという考えはない。県、市が懸念するような事態にならないよう全力で取り組む考えだ」と曖昧模糊な説明。

 その上で、「なお、最高裁判所による最終的な司法判断が示され、翁長知事が、司法により違法と判断された埋立承認取り消し処分を取り消したことから、防衛省としては普天間飛行場の一日も早い移設と返還のため12月27日、代替施設建設事業を再開した。今後、国と沖縄県、双方とも確定判決と、国と沖縄県が昨年3月に合意した和解の趣旨に従って、互いに協力して誠実に対応し、同事業を進めていくことになるものと考えている」とオール沖縄の民意を全く顧みない説明を繰り返しました。

 共産党の大西市議らは、「最高裁判決は、前知事による手続きが違法かどうかについて判断したもの。沖縄県民は前知事の判断を不適切だと考えている。あらゆる方法で新基地建設を阻止するというオール沖縄の意思を縛ることはできない。県知事も、稲嶺名護市長も持てる権限をすべて行使して、新基地建設を認めないとしている。最高裁判決を得たから、新基地建設の見通しが立ったとは言えない」ときびしく迫りました。

 宮澤政務官は、「最高裁判決により、『一つの見通しにはなった』ととらえている」と述べざるを得ず、「見通しが立った」とは言えないことを認めました。

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