■艦載機移駐などで政府交渉
山口県議団は2月8日、米軍岩国基地への空母艦載機移駐や下関北九州道路、国民健康保険のについて、関係省庁からレクチャーを受け、県民の願いを届けました。垣内京美さん(衆院中国ブロック予定候補)も参加しました。
E-2Dの事前配備は、「先行移駐」
防衛省では、2006年に発表された米軍再編に関するロードマップで岩国移駐が計画されていた早期警戒機がE-2Cから、最新鋭のE-2Dに機種変更されたことに関し、
①E-2CとE-2Dの性能の違い、
②配備前の事前訓練を岩国基地を行うのは、同基地にしか支援施設がないためと説明されているが、E-2Dのための支援施設は当初から計画されていたのか、
③訓練はどの空域で実施されるのか、について質しました。
担当官は、
①レーダー性能の警戒監視能力や探知追跡能力が向上している(デジタル化)、
②E-2Dに対応した支援施設については、防衛省として承知していない。ちなみに米側が施設整備したものについては承知していない、
③訓練は岩国臨時留保空域など既存の訓練空域で実施される、などと説明しました。
※後日の調査で、E-2Dの支援施設は米海軍の2016米会計年度予算で、「E-2D運用訓練施設」として871万6千ドル(当時のレートで10億6千万円)が計上されていました。
艦載機移駐の一方的な通告は信義違反
空母艦載機部隊の岩国移駐に関しては、
①県と市が移駐を「容認」していない中で、移駐時期を一方的に通告したのは信義に反する行為ではないか、
②移駐時期を在日米海軍が発表することは、当初から想定されていたのか、
③普天間基地移設の見通しについて、防衛省の宮澤政務官は岩国市議会全員協議会において、「最高裁判決により、一つの見通しにはなった」と説明したが、その真意は何か、
④岩国市が「容認」の条件としてきた43項目の安心安全対策について、同政務官は、「完全実施でなければ、移駐が認められないとは、我々はとらえていない」と答弁したが、この真意は何か、
⑤移駐完了後の着艦資格取得訓練(CQ)は、どのような形で実施されるのか、質しました。
①移駐時期について地元には、米軍との協議が整い次第、説明するとしてきており、今般、協議が整ったので、説明したもの。今後も、地元の理解が得られるよう説明していく、
②米側とは協議を続けていたが、その内容は詳(つまび)らかにすることは差し控える、
③普天間基地移設の見通しについては、最高裁判決を受けて、防衛省が埋立工事を再開したことを踏まえ、「一つの見通しになった」という見解を示したものと承知している、
④岩国市長の艦載機移駐の判断については、「43項目を完全に実施した後に判断されるものではない」との考えから述べたもの、
下関北九州道路の「復活」は許せない
国交省では、下関北九州道路について石井国交相が昨年11月16日の衆院国土交通委員会で、「地元の要望は十分受けとめている。一度、必要性を再整理することが必要」と答弁し、同月20日には視察先の福岡市で、「(関門橋などの)バイパス機能を有し、他の海峡プロジェクトとは違う」などと説明したことを指摘し、今後の対応を質しました。
担当官は、大臣の発言は、地元から熱意ある要望を頂いている、すでに橋、トンネルがあるという点で他の海峡横断プロジェクトとは違うという認識を示したもの。来年度予算に向けて、この時期に、特段、何をするということは決まっていない。今度、どうしたことをやるのか、考えているというのが、リアルな状況、などと説明しました。
※石井啓一国交相は2月20日の衆院予算委員会で、地元自治体が行う調査について「技術面や予算面から必要な支援について検討したい」と表明。下関北九州道路の建設に向けた調査に、700万円を新年度予算に計上されることが決まりました。
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