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●岩国市議会全協―国が艦載機の「先行移駐」を合理化①●

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 在日米海軍司令部が1月5日、空母艦載機部隊(神奈川県厚木基地)の岩国移駐を「2017年後半」から開始するとともに、早期警戒飛行隊(E-2D、5機)を今年2月から岩国基地に「先行移駐」すると発表したことを受け、1月27日、岩国市議会全員協議会が開かれ、岸信夫外務副大臣、宮澤博行防衛大臣政務官らが米側の発表内容を報告。日本共産党市議団(大西明子団長、4人)を含め、9会派13人の市議が質疑を交わしました。

福田市長も「困惑の思い」を表明

 冒頭あいさつした福田良彦市長は、「安心安全対策や地域振興策などについて、現時点においては、我々が納得できる十分な成果が得られておらず、まだ残された課題があるなかでの国の説明であり、私としては、困惑の思いを感じている」と複雑な思いを語りました。

59機が61機に増え、今年7月から移駐開始

 政府の説明は次のような内容です。

 ①原子力空母ロナルド・レーガンが母港の米海軍横須賀基地(神奈川県)に寄港する今年7月以降に移駐を開始する。

 ②主力のFA18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機の4部隊(約48機以上)が今年11月ごろと18年5月ごろに2部隊ずつ移駐する。

 ③EA18Gグラウラー電子戦機6機とC2グレイハウンド輸送機2機は18年1月ごろに移駐する。

 ④早期警戒飛行隊は、現行のE-2C(4機)から、新型のE2Dホークアイ(5機)に機種更新され、今年2月から岩国基地に「先行移駐」して、2~3ヶ月間、空域慣熟訓練、地上管制慣熟訓練等を開始。その後、いったん空母に搭載され、空母寄港後に岩国基地に再飛来する。

艦載機移駐に対する岩国市、山口県の「基本スタンス」とは

 これまでの議会論戦で確認された県、市の基本スタンスは、

 ①今以上(ロードマップの内容)の基地機能の強化は容認できない。

 ②NLPは容認できない。

 ③これ以上(ロードマップの内容)の負担増は認められない。

 ④普天間基地移設の見通しが立たないうちに、艦載機移駐のみを切り離して移駐を進めることは容認できない。

 以上、4点です。

 これに加えて岩国市は、米軍人、軍属による事故や犯罪の防止策、騒音軽減対策、生活環境の充実など43項目の「安心安全対策」と、岩国南バイパスの南伸などの地域振興策の実施を移駐容認の条件としています。

焦点① 普天間移設の見通しが立たないうちは容認できない

曖昧な説明に終始し、「見通しが立った」とは言えず


 宮澤政務官は、「県、市の基本的考えは承知している。政府としては、普天間飛行場の移設についても、艦載機の岩国飛行場への移駐についても着実に進めていきたいと考えており、艦載機の移駐のみを進めるという考えはない。県、市が懸念するような事態にならないよう全力で取り組む考えだ」と曖昧模糊な説明。

 その上で、「なお、最高裁判所による最終的な司法判断が示され、翁長知事が、司法により違法と判断された埋立承認取り消し処分を取り消したことから、防衛省としては普天間飛行場の一日も早い移設と返還のため12月27日、代替施設建設事業を再開した。今後、国と沖縄県、双方とも確定判決と、国と沖縄県が昨年3月に合意した和解の趣旨に従って、互いに協力して誠実に対応し、同事業を進めていくことになるものと考えている」とオール沖縄の民意を全く顧みない説明を繰り返しました。

 共産党の大西市議らは、「最高裁判決は、前知事による手続きが違法かどうかについて判断したもの。沖縄県民は前知事の判断を不適切だと考えている。あらゆる方法で新基地建設を阻止するというオール沖縄の意思を縛ることはできない。県知事も、稲嶺名護市長も持てる権限をすべて行使して、新基地建設を認めないとしている。最高裁判決を得たから、新基地建設の見通しが立ったとは言えない」ときびしく迫りました。

 宮澤政務官は、「最高裁判決により、『一つの見通しにはなった』ととらえている」と述べざるを得ず、「見通しが立った」とは言えないことを認めました。

焦点② これ以上の機能強化、負担増は認められない

機能強化や負担増も根拠示さず否定

 基地機能の強化や負担増について、宮澤政務官は「基地機能強化が何を指すのかを述べるのは困難。本日、説明した移駐計画はロードマップの内容を超えて、さらなる配備を行うものではない。政府としては、空母や艦載機の長期にわたる前方展開能力を確保して、日米同盟の抑止力を確保するためにも必要と考えている」と開き直りました。

「騒音に変化なし=基地機能の強化ではない」―山口県

 山口県は、「基地機能の変更により、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化する状態が生じるかどうか」を「基地機能の強化」の判断基準としています。「生活環境の悪化」の物差しは、騒音被害に矮小化しています。

 逆説的に表現すれば、「騒音に変化がなければ、基地機能の強化にはならない」という姿勢です。

 防衛省が今年1月、新たな騒音予測コンターを作成しました。2006年当時からの主な変更点は、下図の通りです。

Contour_03

 これを踏まえて作成された騒音予測コンターは、下図です。

Contour_02

 防衛省は民家防音工事の対象となる75W値の面積は500㌶からあ650㌶に拡大したと説明しました。さらに、70W値の範囲は、岩国市由宇、周防大島町方面で大きく拡大しています。

  これは、山口県の「特異な物差し」で測っても、明らかに「機能強化」です。

「負担増」は「ロードマップ以上の新たな部隊配備」

 「これ以上の負担増」について山口県は、「米軍再編のロードマップに示されている再編案を超えて、新たな部隊が配置されるような事態を想定」していると説明してきました。

 この定義でいけば、今回、FA-18がスーパーホーネットに、EA-6BがEA-18Gグラウラーに、E-2CがE-2Dに、そして、FA-18とAV-8Bハリアーに代わって、F-35Bが配備されても、すべて「単なる機種変更であり、負担増ではない」という理屈になってしまうのです。

  山口県が、こんな「特異な物差し」に固執する限り、岩国基地の際限ない拡大強化を止めることはできません。
 

焦点③ 安全安心対策の実施が条件

「安心安全対策」の完全実施を放棄し、勝手な解釈


 岩国市が条件にあげている43項目の「安心安全対策」については、防衛省地方協力局の谷井淳志次長が、「進捗は80%程度と認識している」と答える一方、宮澤政務官は「完全実施でなければ、移駐が認められないとは、我々はとらえていない」と勝手にハードルを下げる不当な見解を示しました。

 この見解について、協議会終了後、福田市長は「実現が目標だが、中長期的な事柄も含まれる。多くの市民が納得できる成果を引き出すことが肝心」と国と足並みを揃えるコメント。「基地との共存」の立場をとる保守政治家としての限界を見せました。

(2月4日、加筆。続く)

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