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2017年4月

■2017年度一般会計当初予算の分析③

「検証しても借金減らず」ー村岡知事

反省抜きに財政再建は叶わず

 《解説》「検証なり、評価をしても別に今、借金が減るわけでもない」―予算発表の会見で村岡知事が、「過去のお金の使い方の見通しに甘いところがなかったのか」と記者に問われた際、放った言葉です。

 「過去に目を閉ざす者は、現在も見えなくなる」―ドイツのワイツゼッカー元大統領が、第二次大戦での過ちを繰り返してはならないという思いを語ったものですが、政治に携わる者にとっては普遍的な教訓です。

 山口県が今後5年間で1350億円と喧伝する「財源不足」の要因が、2000年を前後する時期に「景気対策」と称して乱発された借金頼みのムダな大型事業と、その後始末のための赤字補てんにあることは明らかです。

 下表6のように、 97~02年にかけて、地域高規格道路や港湾整備などの大形事業が相次ぎ、年間事業費は2960~2200億円と近年の3倍にも膨らみ、財源の半分は県債で賄われました。

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 加えて、過大な需要予測に基づいて過剰投資を続けていた住宅供給、土地開発・道路の3公社が事実上、経営破たん。その赤字補てんに324億円投じられました。

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 こうした失政によって、97年、663億円だった公債費は09年以降1000億円以上に高止まりし、県財政を圧迫しているのです。

 追い打ちをかけたのが小泉政権以降の国の地方財政の切り捨て策です。

 こうした過去の検証を避け、責任の所在をあいまいにしたままでは、また同じ過ちを繰り返し、そのツケが県民に押しつけられることになります。

(この項、終わり)

■2017年度一般会計当初予算の分析②

世論を軽視した「政策目標」

県民要望に応えた施策を

 ―新年度は、知事肝いりの「チャレンジプラン」の最終年です。進捗は状況は。

疑問だらけの評価指標


 吉田 123の指標が掲げられ、うち104項目(84%)を★3つ以上(最高★5つ)と評価していますが、実績値が初年度よりマイナスの項目を「★3つ」とするなど甘い評価も見受けられます。

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 ―指標そのものがあいまいな項目もあります。

 吉田 「新規雇用創出数」はその典型です。新年度末までの5年間の目標は累計3万人で、2年間で1万2千人余の新規雇用を創出したと説明しますが、若者就職支援センターを通じて就職した人数など、「新規雇用創出」とは言えない数字をカウントするなど、実態を伴っていません。

 ―地方創生をかかげた「総合戦略」は。

 吉田 「総合戦略」の基本目標に「若年者の雇用の場の創出」があり、5年間の目標を6千人としていますが、実績値は「雇用の場の創出に資する取組効果を積算したもの」としか説明できないなど、あいまいな指標が並び、その大半は、「チャレンジプラン」の中から、地方創生に関係する指標を抜き出しただけです。

 ―評価にあたっては、県政世論調査の結果を重視し、新年度予算に反映するとされています。

生かされない県民世論


 吉田 今年度の調査結果では、重要港湾や工業用水などの産業基盤、高速道路網などの道路整備には5割近い県民が「進んでいる」と答える一方、福祉や雇用、子育てなど県民生活に関する施策が「進んでいる」としたのは2割以下です。先に述べたように、この県民世論が新年度の施策に反映されているとはとても言えません。

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要因は地方財源の削減

 ―国の財源措置は十分でしょうか。

 吉田 国は1兆円の交付税措置に加え、推進交付金と拠点整備交付金をつくりましたが、合わせても18億円程度。一方で国庫補助金は5年前と比べ43億円も減らしており、これで「地方創生」とは看板に偽りありです。財源措置を抜本的に拡充すべきです。

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世論と運動が力に

 ―県民運動で前進した施策もあります。

 吉田 下表に、その一部をまとめましたが、住民の運動と議会での論戦を通して、実現、拡充した部分もあります。さらに世論と運動を高める努力を強めていきます。

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■2017年度一般会計当初予算の分析①

 山口県は2月28日開会した2月定例議会に総額6809億円(今年度当初比3・1%減)の2017年度一般会計当初予算を提案しました。
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 今後、5年間で1350億円もの財源不足が生じると強調し、解消のために、県職員のリストラ、県民サービスの切り捨てと負担増を辞さない「行財政構造改革」をいの一番にする異例の予算編成となっています。特徴と問題点を日本共産党の吉田達彦県政策委員長に聞きました。

改革策は人員削減と負担増―
「財政再建」にあらゆる手段

許せない県民福祉の後退

 ―新年度予算の特徴はどこにありますか。

特徴の一番は財政難

 吉田 村岡嗣政知事は会見で、財源不足を強調し、財政健全化に向けた構造改革を最大のポイントにあげました。予算編成の過程で総額192億円の財源不足が生じ、歳入歳出を徹底して見直したものの、最終的には39億円の財源不足が生じたと説明します。

 ―今後5年間の財源不足は1350億円と言います。

 吉田 党県議団は2月議会を通じて、1350億円の根拠を質しましたが、県は「見込みに基づいた推計」としか答えられませんでした。

定員を600人も削減


 ―財源不足の解消のため行財政の徹底した構造改革が打ち出されました。

 吉田 いの一番は、人件費の150億円縮減を目的とした教育、警察を含め600人以上の定員削減と給与制度の見直しです。この5年間の定員削減は352人、人件費の削減額は累計で約60億円ですから、人数で2倍、金額では2・5倍のペースです。職員の長時間過密労働に拍車をかけるだけでなく、行政サービスの後退は避けられません。

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 ―最も効果額が大きいのは公債費の平準化です。

 吉田 これまで20年を原則にしていた県債の償還期間を30年に延ばします。当面の負担(公債費)は減りますが、元利償還の総額は20億円以上増えるおそれがあります。

 ―そのほか、危惧される問題は。

 吉田 歳出改革では、県有施設の移管や廃止が検討され、財源確保対策では、個人県民税や自動車税などの徴収強化が打ち出され、問答無用の差押えの強化が心配です。最大の問題は、それでもなお不足する400億円は、4月に発足する行財政改革統括本部の取り組みに委ねられていることです。県は「あらゆる選択肢を排除しない」と答弁しており、厳しい監視が必要です。

産業戦略関連に突出


 ―施策では、どのような問題がありますか。

 吉田 村岡知事は、最終年を迎えるチャレンジプランの目標突破、地方創生の加速・深化を強調しています。しかし、県版アベノミクス=「産業戦略推進計画」に沿った瀬戸内産業戦略が突出しています。国際競争力強化のための港湾整備、高速道路網整備、工業用水道の拡張などに巨費が投じられます。

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 ―雇用の創出や子育て環境の整備など県民生活に密着した施策は。

 吉田 新年度も5分野の重点化方針を打ち出していますが、事業費の総額は30億円弱に留まっています。給付型奨学金や正規雇用した中小企業への奨励金、住宅リフォーム制度など、若者定住や中小企業支援策に力を入れている他県と比べて、遅れは歴然です。

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